女性は淋病の症状が見分けづらい?症状について詳細解説!

淋病 症状 女性

女性の淋病の症状とは?

「最近、不正出血や下腹部の痛みがひどい…おりものも増えてきている…」

こういった症状がみられる場合は、「淋病」に感染している可能性があります。
淋病は性感染症の1つで、女性の場合だと初期症状に気付きにくい病気です。
淋病は放置すると症状が悪化してしまうので、早期発見・早期治療が非常に大切になります。

本記事ではそんな女性特有の淋病の症状について、「ばんどうクリニック堀切菖蒲園駅前」院長であり泌尿器科専門医かつ性感染症認定医である坂東がお答えします。

他にも性病の検査費用は?安く手軽な検査方法や治療法について気になる方はこちらの記事も合わせてご覧ください。

1、女性に生じる淋病の症状

女性に生じる主な淋病の症状として、下記の症状が挙げられます。

  • 不正出血
  • おりものの増加
  • 性交時の痛み
  • 下腹部の痛み

どの症状も生理と似たものになるため、初期の段階では淋病に感染したと気付きにくいです。ただ生理の症状とは違う面もあるので、それぞれ詳細を見ていきましょう。

(1)不正出血

淋病に感染すると、生理以外での不正出血が起こります。
生理期間でないのに不正出血が続くようであれば、淋病に感染している可能性があるでしょう。
不正出血が起こる頻度は個人差がありますが、イレギュラーな不正出血が見られる場合は、早急に淋病の検査を受けるようにしてください。

(2)おりものの増加

おりものが普段よりも増加した場合も、淋病感染の疑いがあります。
特に、黄色味がかったおりものが増えた場合は、淋病感染を疑わないといけません。
ただし、淋病以外の原因でおりものが増加することも多く、おりものの増加のみで淋病感染に気付ける人は少数です。
とはいえ、おりものが増加している場合は、淋病以外の場合であっても何らかのトラブルが性器で起こっている状態ですので、早急に婦人科を受診するようにしましょう。

(3)性交時の痛み

淋病に感染することで、膣や子宮頸管に炎症が生じてきます。
この状態で性交渉を行うと、炎症部分が男性器と接触して痛みが生じてきます。
普段の性交渉では痛みを感じないのに、急に性交痛を感じるようになったら、淋病に感染しているかもしれません。
性交痛が生じている状態で無理に性交渉を続けると、炎症を悪化させる原因になる可能性もあります。

(4)下腹部の痛み

淋病に感染すると、子宮頸管や卵管で炎症が生じてきます。
これを放置していると、炎症が酷くなり下腹部に鈍痛が感じられるようになります。
生理でも下腹部の痛みは生じますので、生理期間以外で下腹部に痛みが出てきたら、淋病の検査を必ず受けるようにしてください。

2、女性が淋病の症状を放置するとどうなるのか

女性が淋病の症状を放置すると、下記の症状が生じてきます。

  • 淋菌性膣炎
  • 子宮内膜炎
  • 卵管炎

詳しく見ていきましょう。

(1)淋菌性膣炎

淋菌性膣炎は、淋菌が膣内で増殖することで発症する病気です。
おりものの増加や膣内のかゆみを引き起こしますが、自覚症状がでないケースもあります。
膣内で増えた淋菌が卵管などの周辺組織に広がると、後述する卵管炎を発症させます。
適切な治療をせずに放置していると、下腹部の腹痛や不妊症につながるので、早期に治療を行いましょう。

(2)子宮内膜炎

子宮内膜炎は、子宮内膜に細菌が感染することで生じる病気です。
子宮内膜は月経によって一定の周期で体外に排出されるため、通常は炎症が発生することはありません。
ただし、淋病の感染源である淋菌をはじめ、クラミジアや大腸菌、ブドウ球菌などが子宮内膜に感染すると炎症を引き起こします。
子宮内膜炎が生じると、ドロッとした悪臭のあるおりものが増えたり、下腹部痛や排尿痛が生じてきます。特に下腹部の痛みは、生理でないのに生じてくることが多くなるでしょう。

(3)卵管炎

卵管炎とは、卵管に淋菌などの細菌が感染して起こる炎症です。
卵管で炎症が起こると、高確率で卵巣にまで炎症が広がります。
卵管炎を生じると、卵子へ通り道である卵管で癒着が発生してしまい、不妊症の原因になりかねません。
卵管炎では痛みを生じることが少なく、知らず知らずのうちに症状が進行してしまうケースが多いです。
症状が悪化してしまうと、完治させるのに時間がかかるので、少しでも淋病と疑われる症状がでたら早急に検査・治療を受けるようにしましょう。

3、淋病の症状が出た女性がしてはいけないこと

淋病に感染している場合、症状を悪化させないよう注意を払わないといけません。
また、パートナーに淋病をうつさないようにするのも非常に大事です。
淋病の症状が出た時は、下記の行為は控えるようにしましょう。

  • 自慰行為
  • キス
  • 過度な飲酒
  • 性行為

(1)自慰行為

淋病に感染すると、膣や子宮頸管、卵管で炎症が起こります。
この状態で自慰行為を行ってしまうと、炎症部分を刺激することになり、炎症を悪化させてしまう可能性があります。
また、淋菌が付着した指で目をこすってしまうと、結膜炎になってしまうことも。淋病に感染している際は、自慰行為を控えるようにしましょう。

(2)キス

淋病は膣内に感染することが多いですが、オーラルセックスなどによって「喉」の粘膜に感染していることもあります。
喉に淋菌がある状態でキスをしてしまうと、相手に淋菌をうつしてしまう可能性が高いです。
「キスであれば、淋病にかかってても大丈夫」と高を括ってはいけません。

(3)過度な飲酒

過度な飲酒を行うと、各種臓器がアルコールの処理に追われるため、細菌に対する身体の抵抗力が弱まるケースがあります。
これにより、膣内に潜伏している淋菌が活性化してしまい、症状が重くなってしまうことも。
少量の飲酒であれば特段問題はありませんが、過度な飲酒は控えましょう。

(4)性行為

淋病に感染している場合、性行為を行ってしまうと相手に淋菌をうつしてしまう可能性があります。コンドームを使えば問題ないと考えられがちですが、ふとした拍子に性器の粘膜同士が触れてしまえば、それだけで感染する可能性もゼロではありません。

また、性行為によって膣内の炎症が悪化してしまうこともあります。
いかなる理由があろうとも、淋病の症状が身体に出ているのであれば性行為はするべきではないでしょう。

4、淋病の症状が出たらすべきこと

淋病の症状が出てきたら、放置せずに対応することが肝要です。
淋病は何もせずに完治することはないので、適切な治療を受けることが必須です。
淋病感染が疑われたら、まずは下記のことを行いましょう。

  • 症状をパートナーと共有する
  • 検査をする

(1)症状をパートナーと共有する

まずは淋病の症状について、パートナーと共有を行います。
淋病は性感染症の中でも比較的感染力が強い病気ですので、パートナーに感染させないよう細心の注意を払う必要があります。
パートナーにも淋病の症状が出てないか、一緒に確認するようにしましょう。

(2)検査をする

淋病に感染しているか否か、確認するためには「検査」を受けなければいけません。
検査の結果、陽性となれば治療に進むことになります。
淋病の検査方法は、

  • 医療機関で検査する
  • 自宅で検査キットを利用する

の2つがあります。それぞれ詳細を確認していきましょう。

①医療機関で検査する

まず挙げられる検査方法が、医療機関での検査です。
病院、クリニック、保健所などで検査を受けます。
専門機関で行う精密検査の場合は、検査を受けてから2~7日ほどで結果が判明します。

検査費用は、2500円~10,000円のところが多いです。
保険適用か非適用かで検査費用が異なってくるので、検査を受ける専門機関であらかじめ確認しておきましょう。

②自宅で検査キットを使用する

「淋病の検査を行いたいけど、病院に行く暇がない」という方には、自宅で検査キットを利用するのがおすすめです。
検査キットを使えば、自宅で淋病の検査を完結できます。
女性の場合は膣分泌液、男性の場合は尿を検体として採取します。
採血する必要はないので、初めて検査キットを利用する場合でも安心して使用できるでしょう。
検査結果は、検体を送付してから1週間ほどで確認できます。
Webサイトから結果を確認できるので、検査結果が他の人に見られる心配もありません。

淋病の検査キットの費用は、3000円〜5000円ほどになります。
クラミジアや梅毒など、他の性病検査も同時に行う場合は、検査費用が5000円以上になってきます。ただ、1つ1つの検査を病院で受けるよりは費用を抑えられるので、他の性病検査も同時に行いたい方は是非検査キットを利用してみてください。

まとめ

女性が淋病に感染した場合、生じてくる症状は生理と似ているため、初期は判別がつかないことが多いです。
ただ、生理とは異なる部分もあるので、本記事で解説した内容を参考にしてもらい、淋病感染をチェックしてみてください。
淋病は放置すると不妊症の原因にもなります。早期発見・早期治療が完治までの期間を短くするので、不安がある方は必ず検査を受けるようにしてください。

記事監修

坂東 重浩ばんどうクリニック堀切菖蒲園駅前 院長
東京慈恵会医科大学での泌尿器科診療をはじめ、内科や、腹腔鏡手術や内視鏡手術などの先端医療、皮膚科専門医の指導を受け皮膚科疾患診療にも従事。

〈資格〉日本泌尿器科学会 専門医・指導医/日本がん治療認定医/日本性感染症学会 認定医/日本医師会認定 産業医/泌尿器腹腔鏡技術認定医/難病指定医/緩和ケア研修終了/ 〈所属学会〉日本泌尿器科学会/日本内科学会/日本皮膚科学会/日本透析医学会/日本性感染症学会/日本泌尿器内視鏡学会/

http://bando-clinic.com/

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