淋病検査について|検査方法・料金・検査可能時期などを解説

淋病 検査

女性であればおりものの量や色に異常を感じたり、男性であれば排尿痛や膿が出たりという症状は、もしかしたらそれは淋病かもしれません。
しかし「もしかしたら淋病に感染したかもしれない」と感じても、淋病の検査についてあまり詳しくない人も多いでしょう。

そこで本記事では、「ばんどうクリニック堀切菖蒲園駅前」院長であり泌尿器科専門医かつ性感染症認定医である坂東が

  • 淋病検査の実態
  • 淋病の検査はいつから可能なのか
  • 淋病の検査にかかる費用と期間

などについて詳しく解説していきます。
淋病の検査をしようかと悩んでいる方の参考になれば幸いです。

他にもについて気になる方は咽頭淋病の症状とは!何科にいくのか、注意点や対処法についてこちらの記事も合わせてご覧ください。

1、淋病検査の実態

(1)淋病の感染者数

厚生労働省の調査によると、ここ数年で淋病患者の数は毎年8000人強で推移しています。特徴的なのは感染者の男女比です。

令和元年の調査によると定点あたりでの淋菌感染者数は男性6,467人、女性1,738人となっています。男性の感染者数女性の4倍近くに達しており、これは他の性感染症では類を見ません。
参考:性感染症報告数|厚生労働省

これは淋病は女性が感染しにくい病気ということではなく、女性が淋病に感染しても症状が現れないため医療機関を受診していないことが理由と考えられます。
淋病に感染した女性の80%は無症状のため、気づかないうちに性行為により他人に感染を広げてしまいます。

①女性の淋病の症状

女性が淋病にかかると

  • おりものの量の増加
  • 緑黄色のおりものが出る
  • 外陰部が腫れたりかゆみが出る
  • 不正出血
  • 膀胱炎

などの症状が出ることがありますが、むしろわかりやすくこれらの症状が出ることの方が珍しいでしょう。
症状が出ても、緑黄色のおりものが出れば何か病気かもと思うかもしれませんが、他の症状は体調不良や疲労などによっても起こりうる内容です。

②男性の淋病の症状

ちなみに男性の場合は

  • 尿道炎
  • 排尿痛
  • 尿道から黄白色の膿が出る

といった症状が出ます。
男性の場合は強い痛みを伴うため、病院を受診する確率が非常に高く淋病と発覚するのです。

(2)淋病の感染原因

淋病は主に性行為で感染し、男性の感染リスクが高いと考えられているのが風俗店です。
淋菌は咽頭淋病のように喉にも感染するため、フェラチオのようなオーラルセックスでも喉から性器に感染します。
また男性同士のアナルセックスも感染リスクが高いです。

淋病の検査実態からわかることをまとめると

  • 女性は症状が出にくいので感染者数に現れない
  • 男性は症状が出やすく風俗店のような感染リスクを高める環境要因がある

ということになります。

2、淋病の検査はいつから可能?

ここでは、淋病の検査はいつから可能なのかということについて紹介していきます。

(1)淋病の検査はいつから可能か

淋病は潜伏期間が2〜7日間となっているため、症状が出やすい男性の場合は該当する性行為の後すぐに排尿痛や膿などが発生し、病院で検査・治療を受けるケースが多いです。

ただし、女性の場合は80%が淋病に感染しても症状が出ないため、2〜7日間たっても無症状であることは珍しくありません。

淋病に感染している人と性行為を行った場合の感染率は30%程度と言われています。
大体3回に1回の確率で淋病に感染すると考えれば良いでしょう。
もし日常的に性行為を行うパートナーが淋病に感染していたら、いつかは相手も確実に感染するといっていい数字です。

女性の場合、もし相手が淋病かどうか怪しいと思ったら、自分に症状が出ていなくても性行為から1週間後を目安に検査を行うことをおすすめします。


(2)淋病とクラミジアの同時検査とは?

また、淋病患者はクラミジアと同時感染しているケースが20〜30%と多いです。
クラミジアの潜伏期間は1~3週間で、クラミジアも女性の場合は無症状のケースが80%です。
もし気になる場合は性行為から3週間後を目安に淋病とクラミジアの検査を両方受けてもいいでしょう。

3、淋病の検査にかかる費用と期間

淋病の検査は医療機関を受診する方法と、自宅で検査キットを使用する方法があります。それぞれに費用や期間等が違いますので、しっかり把握した上で納得できる方法を選びましょう。

(1)医療機関等で検査する場合

医療機関と一言に行っても性感染症の場合は保険適用か、保険適用外の自由診療かを事前に確認する必要があります。
性感染症を専門に診る病院の場合、保険適用外であることは非常に多いです。

①保険適用の病院での淋病検査

まず、保険適用の病院の場合の淋病検査料金と検査に要する期間は下記です。

  • 検査料金:2,000〜3,000円
  • 検査結果が出るまで:2〜7日

保険適用の場合は3割負担で受診できるため、費用面の負担が軽いのが魅力です。
しかし、保険適用の病院を受診すると周囲の人にバレる可能性があるというリスクもあるでしょう。

保険診療を受けると、毎年自宅もしくは職場に「医療費のお知らせ」という書面が届きます。
これは確定申告で医療費の控除を受ける際に必要な書面ですが、受診した医療機関が明記されているため、家族や職場に見られると「あの人性病かもしれない」と思われてしまうかもしれません。

このため、絶対に周囲にばれたくないと場合、保険適用外の自由診療の病院を受診することがほとんどです。

②保険適用外の病院での淋病検査

保険適用外の病院の場合の淋病検査料金と検査に要する期間は下記です。

  • 検査料金:6,000〜12,000円
  • 検査結果が出るまで:2〜7日

正直検査内容自体は保険適用でも保険適用外でも変わりません。
周囲にばれないというニーズに応えるのが保険適用外の病院です。
保険適用外であれば自宅に「医療費のお知らせ」が届きませんので、受診した本人と病院以外は知りようがありません。

しかし、保険が効かないため医療費を100%負担しなければならず、検査費用は高額になります。
また、保険適用外の病院の場合は国で定められている料金を適用する必要がないため、非常に高い料金設定になっている病院もあります。
もちろん、プライバシーへの徹底した配慮や国内では保健適応のない検査や治療が可能などのメリットもありますが、経済的に余裕がないケースだとなかなか難しいところです。

③保健所での淋病検査

無料で淋病検査を受けられる医療機関として保健所が挙げられます。

  • 検査料金:無料
  • 検査結果が出るまで:1〜2週間

ただし、検査可能な保健所が限られていたり、近場にないエリアも多いでしょうし、混雑具合によっては予約をしてから2週間程度待たされる可能性もあります。
検査結果が出るまでに1〜2週間かかり、また保健所まで出向かねばなりません。

しかも、万が一陽性だった場合でも診断書が出ないため、また治療を受ける病院で検査を受けなければならないのはデメリットです。
保健所で診断書が出ないのは匿名での検査によりプライバシーを保護するためですが、無料であること以外になかなかメリットを見出しにくいです。

(2)自宅で検査キットを使用する場合


自宅にいながら検査キットで淋病の検査をするという方法があります。

  • 検査料金:3,000〜7,000円
  • 検査結果が出るまで:2〜3日

検査キットを利用するメリットとしてはまず周囲にバレないこと。
保険は適用されないため、自宅や職場に「医療費のお知らせ」は届きません。
郵送だと家族と同居している場合に受け取った人にバレてしまうのではと不安かもしれませんが、梱包は性病検査キットとはバレないようになっています。
また、郵便局留めも可能な場合もあるので、利用する性病検査キットの受け取り方法をよく確認しましょう。

また検査キットは保険適用外ですが、保険適用の病院よりやや高い程度の検査料金なので、費用の負担はそこまで高くありません。
診断書も出ますので、それをもとに病院での治療を始めることも可能です。

申し込んでから検査キットが届くまで2日程度、検体を採取して返送するのに1日、検査は即日終わるので、申し込んでから5-7日程度あれば淋病陽性かどうか結果が出ます。

4、淋病検査のあとは治療を

淋病検査で陽性だった場合は病院で適切な治療を受ける必要があります。淋病の治療は病院によって方法が異なる場合があります。

近年主流である治療法は一回だけ抗菌薬の点滴を行う方法です。
30分程度の点滴を行えば治療は終了で、3週間後に治癒しているかの検査を受けて陰性なら完治ということになります。

点滴以外には抗生剤の筋肉注射を行ったり、抗生物質の内服を行うこともあります。
これはその病院の治療の方向性や患者が複数の性感染症にかかっているかどうか等で変わってきます。
また、保険適用外の病院の場合、保健適応ではない治療を採用しているケースがありますので、治療の料金等を含めて事前に確認が必要です。

5、性器の淋病検査と咽頭の淋病検査は同時にはできない

淋病をしっかり治療して完治と診断されたはずなのに再発した。特に思い当たる性行為はしていない。そんな場合はもしかすると咽頭淋病に感染しているかもしれません。

(1)咽頭淋病について

淋菌は人間の粘膜に感染し、それは性器である必要はありません。
淋菌に感染した陰部に対してオーラルセックスをしたのであれば、喉に感染する可能性は十分あるので咽頭淋病となります。

咽頭淋病になると喉がイガイガしたり風邪のような症状が出ます。しかし、咽頭淋病も普通の淋病と同様に発症しないケースも多く、風邪と勘違いして淋病と気づかない可能性が高いです。

(2)淋病検査と咽頭淋病の検査は別

性器の淋病が治っても咽頭淋病に感染したままというケースは多いですが、性器の淋病と咽頭淋病は同時に検査はできません。
あくまで別々に検査の必要があります。
オーラルセックスをした自覚があり、万全を期すのであれば最初の検査の時点で性器と咽頭の両方の淋病検査を受けておいた方が無難です。

ちなみに淋病は性器や咽頭以外にも、アナルや珍しいケースだと眼に感染することもあります。
淋菌は粘膜を離れるとすぐに死滅する弱い菌ですが、感染が確定している場合は他人との性行為はもちろん、性器を触った手で目を擦ったりしない方がいいでしょう。

まとめ

淋病は女性に症状が出にくいため、性行為を行う内に知らず周囲に感染させてしまう可能性が高い性感染症です。
淋病であることが判明しなければ防ぎようがないのが難しいところですが、まずは感染が疑わしい症状が出た場合はすぐに検査を受けるようにしましょう。

他にも性病の検査費用は?安く手軽な検査方法や治療法について気になる方はこちらの記事も合わせてご覧ください。

記事監修

坂東 重浩ばんどうクリニック堀切菖蒲園駅前 院長
東京慈恵会医科大学での泌尿器科診療をはじめ、内科や、腹腔鏡手術や内視鏡手術などの先端医療、皮膚科専門医の指導を受け皮膚科疾患診療にも従事。

〈資格〉日本泌尿器科学会 専門医・指導医/日本がん治療認定医/日本性感染症学会 認定医/日本医師会認定 産業医/泌尿器腹腔鏡技術認定医/難病指定医/緩和ケア研修終了/ 〈所属学会〉日本泌尿器科学会/日本内科学会/日本皮膚科学会/日本透析医学会/日本性感染症学会/日本泌尿器内視鏡学会/

http://bando-clinic.com/

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