もしかしてHIVに感染している?症状や感染経路など解説!

HIV 感染

「最近、寝汗や下痢が酷い。長期間続いているし、何か病気にかかったのだろうか。」

このような悩みを抱えている方はもしかするとHIVに感染しているかもしれません。
HIVに感染すると免疫機能が弱まり、上記のような症状が続くことがあります。

本記事ではHIVの感染について、症状や感染経路などに触れながら詳細を解説していきます。
HIVの感染に不安がある方はぜひ最後まで目を通してみてください。

1、HIVの感染者数の推移と現状

日本でエイズの患者が初めて報告されたのは1985年です。
2019年までのHIV感染者数は21,739人、エイズ患者は9,646人と報告されています。
2019年の1年間のHIV感染者数は993人、エイズ患者が333人となっており、2013年をピークに徐々に減少傾向にあります。

ただし、先進国の中では依然としてHIV感染者数が多いため油断はできません。
日本は他の先進国と比べてHIVに対する意識が低い傾向にあるため、自身の体は自身で守っていかなければなりません。

2、HIVの症状とは?感染したら気づくのか

リスクのある性行為をした人は、誰でもHIVに感染する可能性があります。
感染率が低いとって高をくくってはいけません。
HIVに感染するとどのような症状が出るのか、また感染した後の生活はどのようになるのか、詳細を見ていきましょう。

(1)HIVの症状

HIVに感染してから2~4週間ほど経つと、発熱やのどの痛み、倦怠感、筋肉痛などインフルエンザに似た症状が出てくることがあります。
ただ、感染者全員が初期症状を発する訳ではなく、中には無症状のままの人もいます。

HIVに感染してから数年~10年ほどの間は症状が出ない期間が続きます。
無症状の期間にも個人差があり、1~2年でエイズを発症する人もいれば、数十年以上経過しても発症しない人もいます。

ただ、HIVに感染することで体内の免疫機能は着実に弱まっていくので、いずれかのタイミングでエイズが発症することは変わりません。

エイズを発症すると長期間にわたる下痢や寝汗、急激な体重減少などの症状が出てきます。
また、適切な治療をせずに放置していると、健康体の人には何ら影響のない細菌やウィルスに感染するようになります。
「日和見感染」と呼び、日和見感染による病気が確認された時点でエイズ発症を診断されることが多いです。
厚生労働省はエイズ発症の診断基準を定めているため、気になる方はHIV感染症/AIDS診断基準をご覧ください。

どの病気も放置すると生命にかかわる病気です。
エイズを発症する前に適切な受けることが肝要になります。

(2)HIVに感染した後の生活は?

HIVに感染した場合でも、適切な治療を受け続ければ健康な人と同様の生活を送ることができます。HIVの感染力自体は低いため、日常生活で感染することはないと考えて良いでしょう。

ただ、HIVの治療が遅れたり、エイズを発症してからの治療になるとウィルス量を抑えるのが困難になることもあります。
HIVの早期発見・早期治療が感染後の日常生活を左右するといっても過言でありません。

また、長期の薬剤治療によって各種副作用が生じることもあります。医師と相談しながら、副作用にも対処していくことが求められます。

3、HIVの感染経路

HIVの感染経路は大きく分けて下記の3つになります。

  • 性行為による感染
  • 血液による感染
  • 母子感染

それぞれ詳細を確認していきましょう。

(1)性行為による感染

HIVの感染経路で最も多いのが性行為による感染です。
HIVは精液、膣分泌液、血液に多く含まれています。
性行為によってこれらの液体が相手の粘膜や傷口に触れることで、HIVが感染してしまうのです。

性器や肛門の粘膜は非常にデリケートで、相手の性器と接触することで細かな傷がついてしまいます。
目に見えないほどの傷でもHIV感染の原因になりかねません。

また、口内も歯ブラシなどによって細かな傷が生じていることがあります。
口内に傷があると、オーラルセックスを介してHIVが感染することもあるので注意しなければなりません。

(2)血液による感染

覚せい剤などを静脈注射する際に、同じ注射器具を共有することでHIVに感染することがあります。

また、輸血用血液の中に稀にHIVが含まれていることがあり、手術などの際に感染してしまうこともあります。
現代の医療技術において、輸血用血液の中にHIVが含まれるのは極めて稀ではありますが、100%安全を保障することは出来ません。

(3)母子感染

母親がHIVに感染している場合、妊娠中もしくは出産時に子供がHIVに感染してしまうことがあります。
また、母乳にもHIVが含まれるため、出産後の授乳で子供にHIVが感染してしまう可能性もあります。

あらかじめHIVに感染していることが分かれば、薬の服用によって子供へのHIV感染リスクを低めることができます。
医師の指示のもと、適切な治療を早期に受けることが肝要です。

4、もしかして感染してる?HIVの症状が出た時の対処法

HIVと思しき症状が出た場合、まずはHIV感染の有無を確かめましょう。
HIV感染が不安で何もしないことは、かえって症状を悪化させかねません。
早期に検査を受けて、陽性であればすぐに治療を開始する必要があります。

(1)HIVに感染しているかを確かめる

HIV検査を受ける際は、感染機会から4週間以上経過したタイミングで検査を受けるようにしてください。
4週間経過していないと、HIV陽性であるにもかかわらず、血液検査で陰性となってしまうことがあります。これを「ウィンドウ期」と呼びます。

ウィンドウ期に検査を受けて陽性になることもありますが、陰性の場合は結果を100%信頼することは出来ないので、4週経過した際に再度検査を受ける必要があります。

HIV感染の検査方法として、下記の2つが挙げられます。

  • 医療機関で検査を受ける
  • 自宅で検査キットを使用する

①医療機関で検査を受ける

医療機関では婦人科や泌尿器科などでHIV検査を実施しています。
陽性の場合、そのまますぐに治療に入れる点が医療機関を利用するメリットです。

ただ、検査を受けれる曜日・時間帯が限られていることもあるため、平日仕事で忙しい方は利用しづらいケースもあります。

HIV検査は原則として保険適用外になっています。
そのため、他の性感染症の検査と比べると費用がやや高めで、1回の検査で6,000円ほどかかってきます。

②自宅で検査キットを使用する

自宅で検査キットを使ってHIVの検査を行うことも可能です。
検査キットを利用すれば医療機関に出向く必要はありません。
自分のタイミングで検査を行うことができるので、仕事で忙しい方でも安心です。

検査キットの費用は3,500円程になります。
検査キットでは病院で用いるような注射針は使用せず、小さい針が一瞬飛び出るタイプの専用キットを使用します。
痛みも一瞬チクッとする程度です。注射が苦手な方にも検査キットの利用はおすすめですね。

検査結果はWebを通じて確認することができます。
結果表を家族や知人に見られることもないので、周囲にHIV検査を受けたことをバレたくない際も、検査キットの利用がおすすめです。

(2)HIVは治療で完治するのか

現在の医療技術では体内からHIVを完全に取り除くことはできません。
体内のHIVの量をコントロールして、エイズ発症を遅らせる治療が行われます。
数十年前と比べると治療法は格段に進歩しており、早期に治療を開始すれば健常者と同水準の健康寿命を保つことが可能です。

ただ、医師の指示に従わずに治療を中断したり、服用回数を守らないとHIVが薬剤耐性を持ってしまう可能性があります。
HIVが耐性を持ってしまうと服用できる薬の種類が限られてくるため、満足な治療を行えないこともあります。

HIV治療では必ず医師の指示に従って、薬の内服を行うようにしましょう。

5、HIVの感染を防ぐために

HIVの感染を防ぐためには、まず不特定多数との性行為を行わないことが肝要です。
相手がHIVに感染しているかどうかは確かめようがありません。
よく知らない相手、初対面の相手と安易に性行為を行わないようにしましょう。

また、HIV感染を防ぐにはコンドームの適切な利用も効果的です。
コンドームを利用することで、粘膜の接触を防ぐことができます。

ただ、コンドームを利用してもHIV感染を100%防げるわけではありません。
コンドームでカバーできない部位からHIVが感染してしまうこともあります。
コンドームを過信して、不特定多数と性行為を行うのは厳禁です。

まとめ

HIVに感染すると、初期症状としてインフルエンザに似た症状が出てくることがありますが、感染者全員が生じる訳ではありません。
初期症状が出ず、長期間感染を放置してしまうケースもあります。

HIVの感染を確かめるには検査を受ける必要があります。
HIV感染に少しでも思い当たる症状や出来事があれば、すぐに検査を受けるようにしましょう。

検査キットを利用すれば、自宅にいながら簡単にHIV検査を行うことができます。
検査キットはネットから簡単に購入可能です。
これを機にHIVの検査キットを是非利用してみてください。

記事監修

坂東 重浩ばんどうクリニック堀切菖蒲園駅前 院長
東京慈恵会医科大学での泌尿器科診療をはじめ、内科や、腹腔鏡手術や内視鏡手術などの先端医療、皮膚科専門医の指導を受け皮膚科疾患診療にも従事。

〈資格〉日本泌尿器科学会 専門医・指導医/日本がん治療認定医/日本性感染症学会 認定医/日本医師会認定 産業医/泌尿器腹腔鏡技術認定医/難病指定医/緩和ケア研修終了/ 〈所属学会〉日本泌尿器科学会/日本内科学会/日本皮膚科学会/日本透析医学会/日本性感染症学会/日本泌尿器内視鏡学会/

http://bando-clinic.com/

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