咽頭淋病の症状とは!何科にいくのか、注意点や対処法について

咽頭淋病 症状

咽頭淋病についてご存じでしたか?

  • 「なんだか喉がイガイガする」
  • 「風邪かなと思っていたけれど、どうも違うっぽい」

このような症状がでた方はもしかしたら咽頭淋病かもしれません

本記事では、「ひょっとして自分て風邪じゃない?」と不安をお持ちの方のために、「ばんどうクリニック堀切菖蒲園駅前」院長であり泌尿器科専門医かつ性感染症認定医である坂東が、咽頭淋病の症状と対処法についてご紹介します。

他にも性病の検査費用は?安く手軽な検査方法や治療法について気になる方はこちらの記事も合わせてご覧ください。

1、症状について知る前に!そもそも咽頭淋病とは?

咽頭淋病とは咽頭部、つまり喉に感染する淋病です。淋病といえば性感染症なので性器に感染するイメージが強いですが、淋菌は喉にも感染します。

淋菌の菌自体の生命力は非常に弱く、人の粘膜を離れたら生き続けることはできません。日光や乾燥、消毒剤で簡単に死滅します。その代わり、性器や喉などの粘膜に感染すると、対処しない限りは生き続けるため、症状が悪化したり周囲に移してしまいます。特に咽頭淋病は気が付かないケースが多いです。

淋病以外にもクラミジアやヘルペス、カンジダなど、喉や口に感染する性病はあるので、喉や口が普段と違うなと感じたら性病を疑ってもいいでしょう。

や口が普段と違うなと感じたら性病を疑ってもいいでしょう。

2、咽頭淋病の症状

それでは、咽頭淋病の症状について紹介します。

(1)風邪のような症状

咽頭淋病の症状は非常に風邪と似ています。感覚としては喉がイガイガしたり痛みを感じる、外見は赤くなったり腫れたりといった具合です。一般の人が症状から咽頭淋病なのか、風邪なのかを見分けることは不可能です。

さらに、咽頭淋病と似た症状の性感染症に、咽頭クラミジアがあります。両方感染しているケースも多いです。

(2)咽頭淋病の潜伏期間

咽頭淋病は2〜7日間の潜伏期間があり、その後上記で述べたような症状が出ます。発症後に風邪だと勘違いして、風邪薬を飲んでも当然治りません。薬を飲んでいるのに風邪のような症状が治らない、どうも長引いている気がする場合は咽頭淋病を疑ってもいいかもしれません。

(3)症状が出ないケースもある

咽頭淋病の感染したら、必ず風邪のような症状がでるというわけではありません。症状が出ないケースも多いため、知らない間に他人に移してしまったり症状を悪化させるケースも多いです。

(4)扁桃周囲炎や扁桃周囲膿瘍などの症状

咽頭淋病の症状が悪化すると、扁桃周囲炎や扁桃周囲膿瘍といった扁桃腺の状態が悪化する病気になります。より激しい痛みが発生したり、扁桃腺が化膿する、扁桃腺が腫れることで喉が塞がり呼吸が苦しくなるなどの症状です。特に扁桃周囲膿瘍のレベルになると、手術によって扁桃腺を切開して膿を出す必要が出てきます。

咽頭淋病は自然治癒することはありません。怪しいと感じたらまずは検査し、適切な治療を受けることが必要です。

3、症状がでた!でも一体いつ咽頭淋病に感染したのか

前章で、自分の症状と咽頭淋病の症状を比較して、「ひょっとして自分って淋病に感染してる?」と感じた方もいるかと思います。

それでは、一体いつ咽頭淋病に感染したのでしょうか。

(1)主な感染経路は性行為

咽頭淋病は喉に感染する性感染症です。つまり性行為、特にオーラルセックスが主要な感染経路となります。

  • 淋菌に感染したペニスをフェラチオする
  • 淋菌に感染したヴァギナをクンニリングスする
  • 咽頭淋病に感染した状態でディープキスをする

上記が主な感染経路です。

もちろん異性だけでなく同性間でのオーラルセックスでも感染します。淋菌感染者とのオーラルセックスによって淋病に感染する確率は約50%と言われており、誰でも感染する可能性がある性感染症です。

(2)不特定多数との性行為は感染リスク大

不特定多数の人と性行為をしているケースだと当然感染リスクは増大します。また、本番なしの性風俗店に通う男性、勤務している女性は最も気をつけたほうがいい性感染症と言えるでしょう。セクキャバのような服の上からのおさわりとディープキスだけのお店でも感染可能性があるのが咽頭淋病です。

上記のような行為に身に覚えがあり、前章のような症状が現れたら咽頭淋病を疑ってみましょう。

4、咽頭淋病の症状が出た時の注意点

咽頭淋病の症状がでた際にはどのような点に注意をする必要があるのでしょうか。

感染した際に知っておいた方がいいことを紹介します。

(1)咽頭淋病だけでなく他の性病に感染しているかも疑う

淋病は粘膜が触れ合ったところ全てに感染可能性がある性感染症です。咽頭淋病は性器から口を経由して喉に感染しますが、それ以外にも目や直腸などに感染するケースも見られます。特にアナルセックスによる直腸の淋菌感染は近年増加傾向です。

自身のセックスライフをよく見直し、咽頭淋病以外にも感染している可能性がある部位がないか思い返してみる必要があります。男性の場合であればセクキャバ等でのディープキスで口を通して咽頭淋病に感染しますし、ヘルス等でクンニリングスを行うことでヴァギナから口を通して咽頭淋病に感染します。さらに、ヘルスやソープ等の風俗店であればそこで終わることはなく、フェラチオや素股等性器と性器が触れ合うわけですから、性器も淋菌に感染する可能性は極めて高くなります。

たとえ咽頭以外に症状が出ていなくても、他の部位への感染を疑ってみる必要はあります。男性の場合は女性に比べて症状が出るケースは多いですが、怪しい場合は咽頭淋病と性器の淋病を両方検査してみるのが良いでしょう。

また咽頭淋病に感染している患者は、同時に咽頭クラミジアに感染しているケースも非常に多いです。

(2)咽頭淋病を放置してはいけない

咽頭淋病を放置すると、喉の腫れや痛みが重症化します。呼吸困難になり窒息のリスクも高まるので、腫れがひどくなる前に早めの治療が必要です。

また、性器に感染した淋病の治療が完了しても、実は知らず咽頭淋病にもかかっていた場合、生活の中で自分の咽頭から再度性器に感染してしまうケースもあります。

もちろん周囲に移してしまうことにもなりますので、咽頭淋病は放置せず必ず治療しましょう。

5、咽頭淋病の症状が出た時の対処法

咽頭淋病の症状が出た場合、まずは咽頭淋病に感染しているかどうかを確かめましょう。

  • 喉がイガイガする
  • 腫れがひかない
  • ずいぶん長い風邪だなぁと感じる

これらの場合は、咽頭淋病に感染している可能性が疑われます。もちろん全くオーラルセックスをしていない場合は、咽頭淋病に感染している可能性はほぼありません。ただし、半月以内にディープキスをした経験があれば、感染していることは十分考えられます。

そのような場合は迷わず検査をしましょう。

(1)専門機関に診てもらう

咽頭淋病の検査は性病の検査や治療をしている病院で受けることができます。検査方法によって結果が出る速さが異なり、最大1週間程度かかる病院と当日に結果がわかる病院があります。受診前に検査結果はいつ出るか問い合わせておいた方がいいかもしれません。うがいによって検体を採取するのが一般的になっており、検査を受けること自体は非常に手軽です。

①保健所で検査する場合

また、性感染症は保健所なら無料で検査を受けることができ、淋菌も保健所によっては検査対象です。ただし、保健所での検査の場合、尿から検体を採取するため咽頭淋病の検査はできません。性器に異常はないけれども喉がイガイガする場合は、保健所だと淋菌が検出されない可能性が高いです。やはり病院でうがいの検査を受ける必要があります。

②病院で検査する場合

咽頭淋病の検査料金は病院によって大きく異なります。保険診療であれば2,000円程度で検査を受けることができます。保険適用外の自由診療だと8,000〜10,000円程度が検査費用として発生します。病院で検査を受ける場合に価格だけを見ると保険診療が安くていいと思う方が多いはずです。

しかし、保険診療を受けた場合、家庭や職場に「医療費のお知らせ」という書面が届きます。これは医療費控除の申告をする目的ですが、病院を受診したことがバレてしまうリスクがあります。そのため、費用が高くても他人にバレることがない自由診療を選ぶ人は多いです。

③保険診療か自由診療か

また、性感染症クリニックのような専門医療機関は、そもそも保険診療を行っていないケースが非常に多いです。保険が使えると思って病院に行ったら自由診療しか対応しておらず、高額な医療費を取られたとなる可能性はあります。来院前に保険対応なのか自由診療のみなのか、ホームページや電話等でしっかり確認しましょう。

(2)検査キットを利用する

咽頭淋病の検査キットを使用すれば、自宅で手軽に検査が可能です。自宅に郵送で届いたキットに検体を採取して送り返すだけ。検体が検査場に到着後数日で検査結果が出るケースが多いです。申し込みをして自宅に検査キットが届いてから検体を送り返して結果が出るまで、トータルで5日程度あれば咽頭淋病かどうかわかるということになります。

検体採取方法はうがいが採用されていることが多いため、痛かったり難しく感じることは少ないはずです。

①検査キットの料金

検査キットは提供する会社によって3500円〜10000円程度まで幅広い価格設定がされています。同時に複数の性病を検査できるようなキットだと高額になりますし、シンプルな検査キットであれば安価になります。

②検査キットのメリット

検査キットを利用するメリットは、他人にバレないことと病院に比べて安価であることです。検査キットの受け取りは自宅以外にも郵便局留めを選べることが多く、さらに自宅に届ける場合も性病検査キットだとはわからない梱包で届きます。また、検査キットは自由診療なので「医療費のお知らせ」に記載されることがなく、しかも病院で検査を受けるよりは安くなります。

「咽頭淋病かどうか不安だけど、他人にバレず安く簡単に検査したい」という方には、検査キットはぴったりです。

6、咽頭淋病に感染していたら治療を受ける

検査の結果、咽頭淋病であることが確定した場合は医療機関で治療を受ける必要があります。咽頭淋病は適切な治療をすれば短期間で治りますので、陽性だったからとナーバスになりすぎずに対処しましょう。

(1)泌尿器科で治療をする場合

何科を受ければいいかというと、基本的には泌尿器科ですが、耳鼻咽喉科でも対応可能な病院はあります。

性病科で治療を受ける病院を選ぶ際には、保険診療なのか自由診療なのかを事前に確認するようにしましょう。保険診療の場合、初診の診察・治療と薬代で3,000〜4,000円前後が目安です。自由診療の場合はかなり幅があり、初診の診察・治療と薬代で10,000〜30,000円程度かかります。

(2)耳鼻咽喉科で治療をする場合

耳鼻咽喉科で治療を受けられるケースもあります。耳鼻咽喉科であれば保険診療がほとんどなので費用も安く、「医療費のお知らせ」が届いても性病と怪しまれる可能性は低いです。事前に「検査結果で咽頭淋病と分かっているのだが、診療・治療に対応しているか」確認してみてもいいかもしれません。

治療内容は点滴や注射、薬の服用による抗生物質の投与になります。性器に感染した淋病の場合、1度の治療で住むケースが多いですが、咽頭淋病は喉に菌が強く定着しているため、完治までに時間がかかることがあります。咽頭淋菌の治療も基本は点滴一回です。

まとめ

咽頭淋病はオーラルセックスを行う人ならば誰もが感染する可能性のある病気です。日常的に性行為を行っている方であれば、感染するリスクも感染させるリスクもあります。不特定多数と日常的にオーラルセックスを行う生活スタイルの方は特に注意しなければなりません。

ご自身で咽頭淋病の感染リスクが高い生活を行っていると感じている方でも、今の生活を変えたくない、変えられないとお考えの方もいるはずです。とはいえ、自分の健康と周囲の健康を考えるためには、感染した場合にすぐ治療できる体制である必要があります。

咽頭淋病の検査キットであれば周囲にバレずに安く手軽に検査が可能です。検査キットで咽頭淋病であることが確定したら、すぐに最寄りの病院で治療を受けましょう。

記事監修

坂東 重浩ばんどうクリニック堀切菖蒲園駅前 院長
東京慈恵会医科大学での泌尿器科診療をはじめ、内科や、腹腔鏡手術や内視鏡手術などの先端医療、皮膚科専門医の指導を受け皮膚科疾患診療にも従事。

〈資格〉日本泌尿器科学会 専門医・指導医/日本がん治療認定医/日本性感染症学会 認定医/日本医師会認定 産業医/泌尿器腹腔鏡技術認定医/難病指定医/緩和ケア研修終了/ 〈所属学会〉日本泌尿器科学会/日本内科学会/日本皮膚科学会/日本透析医学会/日本性感染症学会/日本泌尿器内視鏡学会/

http://bando-clinic.com/

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