梅毒は治る?症状の特徴や治療期間など、完治するための方法を紹介

梅毒 治る

数ある性感染症の中でも深刻なイメージを持つ人が多いのが梅毒です。ぱっと見で梅毒だと見抜くことが難しく、放置していると他の重大な病気を併発するリスクがあります。
中には「梅毒って治るの?」と疑問に思っている方も多いため、ばんどうクリニック堀切菖蒲園駅前」院長であり泌尿器科専門医かつ性感染症認定医である坂東が、その疑問に詳しくお答えします。

1、梅毒とは?どんな病気なのか

梅毒は梅毒トレポネーマという細菌の一種に感染することで発症する性感染症です。人の粘膜と粘膜、粘膜と皮膚の傷口などが触れ合うことで、人から人へ感染します。あらゆる性行為で感染し、キスも例外ではありません。ただし人の粘膜から離れてしまうと生き続けることはできない細菌のため、風呂やプールなどでは感染しません。

梅毒は非常に特徴的な症状の現れ方をする性感染症です。どのような病気なのかさらに詳しく紹介します。

(1)梅毒の感染者数

古くは江戸時代の遊女の死因として名高い梅毒は、1940年代にペニシリンが開発されるまでは最もメジャーな性感染症でした。
ペニシリンの開発で1987年の2,928人をピークに一旦はおさまったものの再び流行し、2018年には7007人まで達したことから爆発的に広がっていることがわかります。

近年増加している要因としては全世界での共通要因として、マッチングアプリ等を活用し不特定多数との性行為が手軽になったことなどがあげられるでしょう。
令和元年の梅毒感染者数は6,639人と報告されています。

(2)梅毒の症状

梅毒はその症状によって4段階の感染期間に分けられます。

第四期にまで達すると死亡のリスクが非常に高まります。現在の日本の医療体制では第二期までに梅毒は発見され治療されるため、重篤化するケースはあまりありません。

梅毒の症状についてさらに詳しくしりたい方は「(梅毒 症状の既存記事)」も合わせてご覧ください。

2、梅毒って治るの?

梅毒に感染した方や感染した疑いのある方は、梅毒が治る病気なのか気になるのではないでしょうか。梅毒は治るのかについて説明します。

(1)梅毒は治るのか

梅毒は適切な治療を行うことで治る病気です。ただし、一度かかったら二度とかからないというものではなく、何度でも感染発症します。

(2)一度感染すると体に梅毒の抗体ができる

梅毒は治らないという誤った知識をお持ちの方もいるかもしれません。正確には梅毒に一度かかると血中に梅毒の抗体ができます。それを梅毒の菌がずっと体内にあると勘違いしているというわけです。

この抗体が血中にあることで、梅毒検査をした時に陽性反応が出てしまいます。しかし、これは梅毒が治らずにずっと侵されているわけではなく、単に検査上の反応です。一度梅毒に罹患した履歴のある方が完治後に検査を受ける場合は、医師等に罹患歴があることを伝えましょう。考慮した検査方法にしてくれるはずです。

「どうせ治らないのなら医者にかかってもしょうがない」と投げやりな姿勢になっている方へ。梅毒は治療によって完治する性感染症です。しっかり治療して身体と精神の健康を保ちましょう。

3、梅毒を安全に治すには早期発見が大切

何度も述べるように梅毒は治る病気です。ただし、第三期以降まで放置しておくと体の内部にダメージが蓄積されるため、治療に時間がかかります。なるべくスムーズに治療を進め、生活の質を保つためにも早期発見が大切です。

「梅毒かもしれない」と少しでも気になったら病院や検査キットで検査を受けましょう。

(1)保険適用の病院で検査を受ける

保険適用の病院では梅毒の検査を2,000円程度で受けることができます。デメリットとしては、家族や職場に性病検査を受けたことがバレてしまう可能性があること。保険内診療を受けると自宅や職場に「医療費のお知らせ」が届きます。これは医療費控除を受けるための通知で、受診した病院が記載されています。皮膚科などを受診したことがわかってしまうのです。

(2)保険適用外の病院で検査を受ける

保険適用外の病院での検査であれば「医療費のお知らせ」が届かないため、周囲にバレることはありません。デメリットとしては料金が高いこと。保険適用外の病院での梅毒検査は8,000〜15,000円となり高額です。

(3)保健所で検査を受ける

保健所は梅毒の検査を無料で受けることができます。デメリットとしては近くに検査できる保健所がないケースがあることや、検査まで時間がかかる可能性があること、匿名での検査のため診断書の発行がないことが挙げられます。
ですが、陽性で治療をする場合は専門の病院へ行かなくてはなりません。

(4)検査キットで検査をする

郵送の検査キットであれば周囲にバレずに費用を抑えて梅毒検査が可能です。検査キットには3000〜10,000円程度と価格幅がありますが、梅毒単一の検査でよければ安くなります。保険適用外なので自宅や職場に医療費のお知らせは届きません。

検査キットの受け取りは自宅ではなく郵便局留めなどを選ぶことが可能ですし、自宅に届ける場合も性病検査キットとはわからない梱包になっています。

申し込みをしてから2日あれば自宅に届きますし、返送して検査結果が出るまで2〜3日です。つまり1週間あれば検査が完了するため、非常に手軽に梅毒検査にトライできます。

4、梅毒が治るまでの期間や費用

梅毒が治るまではどのような流れなのでしょうか。性感染症の中では比較的長期の治療が必要な病気ですので、完治するまで治療を自己判断で勝手にやめないことが大切です。

(1)梅毒が治る期間

梅毒は2〜16週間程度の治療期間がかかり、どの感染期間かによっても治療期間の長短が変わってきます。

1期であれば2〜4週間ほど通院と薬の服用を行います。2期であれば4~8週間、同じく通院と薬の服用を行います。完治したかどうかは血清検査の結果で判断されるため、長期化することもあります。

病院によって様々な検査方法がありますが、基本的には血液中の抗体の増減で完治したかを判断します。血中の抗体の濃度が一定値を下回ると陰性となり治療終了です。

(2)梅毒が治るまでにかかる費用

梅毒が治るまでにかかる費用は、医療機関によっても異なります。

①保険適用の病院で梅毒検査・治療を受けた場合の費用

検査:2,000円程度
初診代:1,000円程度
再診代:500円程度
4週間分の薬:1,000〜2,000円程度
合計:5000円程度

保険適用の病院で検査・治療を受けた場合、4週間程度でスムーズに治療を終えられれば5000円程度の費用に抑えられます。長期化したとしても薬代もそこまで負担にならない金額です。

②保険適用外の病院で梅毒検査・治療を受けた場合の費用

検査:8,000〜15,000円程度
4週間分の薬:30,000〜50,000円程度
合計:60,000〜80,000円程度

保険適用外の病院の場合、料金体系や治療の内容が病院によってかなり異なります。そのため一概には言えませんが、4週間の治療で60,000〜80,000円程度は見ておいた方が良いでしょう。長期化する場合は薬代が嵩むので月3〜5万円程度を追加で見ておくイメージです。

5、梅毒の治療方法

最後に梅毒の治療方法について説明します。

(1)服薬治療

梅毒の治療は服薬による治療と4週間ごとの抗体の増減検査が主です。服薬はペニシリン系の薬剤を一日3回4週間に渡り行います。決められた要領を守り、自分で勝手に辞めてはいけません。
症状が引っ込んだと思っても、体内に梅毒の菌は潜伏している可能性が高いです。4週間後の抗体検査で医師から完治したと判断されない限り、服薬は続けなければなりません。もちろんその間の性行為は厳禁です。

梅毒が重症化し神経を侵す神経梅毒にまで発展している場合は、入院しての治療が必要になります。2週間程度にわたり点滴での薬剤投与を受け続けます。

(2)梅毒の市販薬はある?

梅毒の薬を手に入れるには医者の処方箋が必要です。街中のドラッグストアでは販売していません。

ネットを介して海外から個人輸入する人もいますが、アレルギーなどのリスクもあるため辞めておきましょう。また、成分が適切かどうかも信頼度が低く、梅毒が治るかどうか以前に危険な行為なので、費用を抑えたいがために個人輸入に頼るのはやめましょう。

まとめ

梅毒は治る病気ですので、感染したからといって焦る必要はありません。
しかし、体に現れたしこりや湿疹がしばらくすると消えることがありますが、治ったわけではないのでしっかりとした治療が必要です。

他の性感染症と比べても重症化リスクが非常に高いのが梅毒です。少しでも気になったら検査を受けましょう。

梅毒の検査キットであれば周囲にバレずに安く手軽に検査が可能です。検査キットで梅毒であることが確定したら、すぐに最寄りの病院で治療を受けましょう。

記事監修

坂東 重浩ばんどうクリニック堀切菖蒲園駅前 院長
東京慈恵会医科大学での泌尿器科診療をはじめ、内科や、腹腔鏡手術や内視鏡手術などの先端医療、皮膚科専門医の指導を受け皮膚科疾患診療にも従事。

〈資格〉日本泌尿器科学会 専門医・指導医/日本がん治療認定医/日本性感染症学会 認定医/日本医師会認定 産業医/泌尿器腹腔鏡技術認定医/難病指定医/緩和ケア研修終了/ 〈所属学会〉日本泌尿器科学会/日本内科学会/日本皮膚科学会/日本透析医学会/日本性感染症学会/日本泌尿器内視鏡学会/

http://bando-clinic.com/

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