病院に行かなくても検査可能!梅毒の検査方法について詳細を解説!

梅毒 検査方法

梅毒と思われる症状が出た際は、すぐに検査を行って陽性・陰性を確かめることが大切です。検査というと、病院に行くイメージが強いですが、「病院に行くのは恥ずかしい…」と感じる方も少なくないです。実は自宅にいながらも梅毒を検査することができるのをご存じでしょうか。
本記事では、

  • 梅毒の検査方法
  • 梅毒の検査に関する費用・期間


などについて、「ばんどうクリニック堀切菖蒲園駅前」院長であり泌尿器科専門医かつ性感染症認定医である坂東が、詳細を解説していきます。

1、検査方法について知る前に!そもそも梅毒とは

梅毒の検査方法について知る前に、梅毒とはどのような病気なのか、確認していきましょう。

(1)梅毒の症状

梅毒の症状は、感染1期・2期・3期・4期によってそれぞれ異なってきます。

①初期

感染1期の場合は、性器の周辺に「初期硬結」と呼ばれる硬いしこりができます。しこり事態に痛みや痒みはなく、放っておいても自然に無くなるのが特徴です。ただし、しこりが無くなっても、梅毒自体が治った訳ではありません。

②2期

第2期の症状は、梅毒感染からおよそ9週間ほどで出てきます。症状としては、「バラ疹」と「梅毒性粘膜疹」などが挙げられます。バラ疹は、手のひらや足の裏、全身に出てくる赤い発疹のことで、「梅毒性粘膜疹」は、口唇・口蓋などに出てくる灰白色の班です。目ためが修士の粘膜の色とは異なるので、梅毒感染になかなか気づくことができません。

③3期

第3期になると、症状が徐々に重篤化してきます。第3期の症状は、梅毒感染からおよそ3年ほどで生じてきます。第3期の症状として代表的なのが「ゴム腫瘍」です。ゴム種の大きさはゴムボールほどの大きさになることもあれば、小さい粒のような大きさであることもあります。ゴム種は、生じた部分の周囲にある筋肉や骨を圧迫して破壊していきます。外科的処置をして切除しても、跡が残ってしまうケースが多いです。

④4期

第4期の症状は、生命を脅かすものになってきます。感染してから約10年ほどで発症することが多いです。症状としては、梅毒による心臓の血管系・中枢神経の浸食、大動脈瘤、痴呆などが挙げられます。梅毒が体の隅々まで広がってしまい非常に危険です。

(2)梅毒の感染経路

梅毒の感染経路は、「性交渉」が主な経路です。感染者の粘膜と自身の粘膜が接触することで、梅毒が感染します。性交渉では、オーラルセックスやアナルセックスも含みます。また、キスで感染するケースもあるので、注意しなければいけません。「コンドームを利用すれば感染しない」と考えている方が多いですが、コンドームを利用しても100%感染を防げる保障はありません。性器以外の粘膜が接触しても梅毒は感染しますので、コンドームのみでは感染を防ぎ切れないのです。

2、梅毒の検査方法

梅毒の検査方法は下記の2つがあります。

  • クリニックで検査を行う
  • キットを使って自宅で検査する

(1)実際にクリニックで検査する場合

実際にクリニックで検査する場合、まず「診察」を受ける必要があります。診察では医師から「問診」されることになるので、「誰と」「いつ」「どのように性行為を行ったか」など、性交渉の詳細を細かく話さなければいけません。
同性の医師であればまだしも、異性の医師の場合だと恥ずかしくて問診に答えにくいという声もよくあります。また、クリニックに行くとなると性病を扱うクリニックに入ることになるので、周りの目も気になるでしょう。特に、初めてクリニックに行く人ほど足を運ぶハードルが高く感じるようです。

クリニックで行われる梅毒検査は、「TP法」と「RPR法」の2つが代表的なものになります。

①TP法 

TP法は、感染機会から2ヵ月以上経過した場合に利用できる検査方法です。
即日検査が利用できれば、その日に治療を受けることも可能ですが、即日検査だと感染機会から2ヵ月以上経過していないと利用できないので、感染から期間が空いてしまう点がデメリットです。
また、診察費も比較的高額であることからあまり一般的ではありません。

②RPR法

RPR法は、感染機会から4週間以上の経過で利用できる検査方法です。精密検査となるため結果は翌日以降に分かります。

クリニックで検査を行うと、仮に陽性であった場合にそのまますぐに治療に入ることができます。ただし、RPR法を利用した場合は一度自宅に戻るため、結果的に再度クリニックに出向かなくてはなりません。

(2)キットを使って自宅で検査する場合

梅毒を検査するもう一つの方法は、自宅でキットを利用することです。検査キットを使えば、クリニックに出向かずに自宅で検査を完結させることができます。また、クリニックでの検査では採血の際に「注射針」を利用するケースが大半です。経験豊富な看護師の方が採血してくれれば痛みも最小限に収まる可能性が高いですが、経験が浅い看護師であれば多少痛みを感じるかもしれません。
こちらも採血による抗体検査ですので、感染機会から4週間以上経過してから検査可能です。

①梅毒の検査キットは痛くない

一方、自宅で使う検査キットは注射針を使った採血ではなく、微小な針を用いた採血になります。小さな針が一瞬出てくるキットを指の腹に充てて、採血を行います。針があたる際に「チクッ」とする程度ですので、痛みをほぼ感じません。

②採血のあとは郵送するだけ

キットを使って採血したあとは、郵送で採取した血液を送るのみです。郵送してから1週間ほどで検査結果が判明します。検査結果はWebサイトから確認することができるので、郵送で結果表が送られてくるのを待つ必要もありません。書面で結果表が必要な場合は、Web上に表示された結果表を印刷して利用することもできます。

③検査キットを利用するメリット

検査キットを使えば、だれにもバレることなく自宅で簡単に梅毒検査が可能です。検査キットにもよりますが、申し込んだ翌日に検査キットが届くものもあるので、すぐに検査がしたい人でも安心して利用できるでしょう。

3、梅毒の検査に関する疑問

梅毒の検査方法についておわかりいただけたでしょうか。検査方法の他にも検査する上で下記のような疑問が生まれるかと思います。

  • 検査費用
  • 検査機関
  • 検査は周囲の人にバレないのか

これらの詳細を確認していきましょう。

(1)梅毒の検査費用

梅毒の検査費用は、クリニックで検査する場合と検査キットを使用する場合で異なります。

①実際にクリニックで検査する場合

クリニックで梅毒を検査する場合、費用は「5,000円~8,000円」ほどになります。クリニックによって検査費用に差があるので、利用する際は注意しないといけません。クリニックで検査を受ける前にどちらの検査方法を採用しているのか、あらかじめ確認するようにしましょう。

②検査キットを使って自宅で検査する場合

検査キットには3000〜10,000円程度と価格幅がありますが、梅毒単一の検査でよければ安くなります。保険適用外なので自宅や職場に医療費のお知らせは届きません。

検査キットの受け取りは自宅ではなく郵便局留めなどを選ぶことが可能ですし、自宅に届ける場合も性病検査キットとはわからない梱包になっています。

申し込みをしてから2日あれば自宅に届きますし、返送して検査結果が出るまで2〜3日です。つまり1週間あれば検査が完了するため、非常に手軽に梅毒検査にトライできます。

(2)梅毒検査から結果がわかるまでの期間

梅毒の検査期間に関しても、クリニックに行く場合とキットを使う場合で異なります。

①実際にクリニックで検査する場合

クリニックで検査する場合、、精密検査は翌日以降の結果判明となります。即日検査の場合だと、採血してから15分ほどで結果が分かります。すぐに検査結果が知りたい場合は、クリニックでの即日検査がおすすめですが診察費が高額です。ただし、即日検査の場合は感染機会から2ヵ月以上経過していることが条件です。2ヵ月経過していない状態で検査を受けると、梅毒に感染している場合でも「陰性」の結果が出てきてしまうので注意してください。

②検査キットを使って自宅で検査する場合

キットを使って検査を行う場合、結果が分かるまでは郵送から1週間ほどになります。クリニックの検査と比べると、結果が分かるまで少々時間がかかりますが、自宅ですべて完結する分手間はかかりません。検査自体は数分ほどで終えられますので、仕事で忙しい方でも無理なく検査できます。

(3)梅毒の検査は周囲の人にバレない方法

梅毒の検査で「周囲の人にバレないか」という点は、非常に気なるところですよね。
それぞれについて解説します。

①実際にクリニックで検査する場合

クリニックで検査する場合、クリニックが空いている時間や夜間の時間で診察を受けることで、周りの人から梅毒検査が知られにくくなるでしょう。ただし、周囲の人と鉢合わせない可能性はゼロではありません。クリニックで検査を受ける限り、誰かと会ってしまうリスクは常に生じてきます。

②検査キットを使って自宅で検査する場合

検査キットを使って自宅で検査する場合、検査キットが自宅に送られてくるタイミングで、家族や同居人にバレる可能性があります。これを防ぐために、
一人暮らしの友人宅に送付して受け取ってもらう
郵便局留めコンビニ受け取りを利用する
などの方法でその可能性は限りなくゼロに近くなります。すでに自分で一人暮らししている場合は、自宅にキットを送れば周囲の人にバレることはありません。「絶対誰にも知られたくない、、」という方は、クリニックで検査を受けるよりもキットを利用する方が安心でしょう。

4、梅毒の検査で陽性だった場合

梅毒の検査で陽性だった場合について説明します。

(1)すぐに治療を受ける

梅毒の検査で陽性だった場合、すぐに治療を受けましょう。適切な治療をせずに治療を先延ばしすると、梅毒の症状がどんどん深刻になってしまいます。症状が一時的に無くなることもありますが、これは梅毒が完治した訳ではありません。治療をせずに梅毒が治ることはないので、勘違いしないよう注意してください。

(2)治療は抗菌薬を服用する

梅毒の治療では、抗菌薬の服用を行います。服用機関は症状の進行具合にもよりますが、おおむね2~12週間ほど服用を継続します。1日の服用回数やタイミングを医師から指示されますので、その指示通りに服用を進めましょう。自分自身の判断で勝手に服用回数を変えたり、服用を辞めてはいけません。もし、医師の指示に反して抗菌薬の服用を止めてしまうと、梅毒が抗菌薬に対して耐性を持ってしまう可能性があります。耐性をもった梅毒は、同様の抗菌薬が効きづらくなるため、治療の難度が高くなってしまいます。最短で梅毒を完治させるためにも、医師の指示に従って抗菌薬の服用を行うようにしてください。

(3)検査キットを使用した場合は結果をクリニックに持参する

キットで検査を行った場合、検査結果をクリニックに持参すると治療までの流れがスムーズになります。結果表がないと、再度クリニックで検査を行うことになるので二度手間です。
キットによる梅毒の検査結果はWeb画面上から印刷することが可能です。自宅に印刷環境が無くても、スマホさえあればコンビニのプリント機器で印刷することができます。コンビニごとにスマホから専用アプリをダウンロードする必要があるので、事前に準備しておきましょう。

まとめ

梅毒の検査方法は、

  • クリニックで検査を受ける
  • 自宅でキットを使って検査する

2通りの方法があります。
自宅で検査キットを利用すれば、周りにバレることなく、自分のタイミングで検査を行うことが可能です。ただし、キットを使った検査で陽性と判明した場合は、すぐにクリニックに行って治療を受けましょう。早期発見ができれば、梅毒治療の期間も短くなるので、梅毒と思われる症状が見られたら検査キットを使って早めに検査を行うようにしてください。

記事監修

坂東 重浩ばんどうクリニック堀切菖蒲園駅前 院長
東京慈恵会医科大学での泌尿器科診療をはじめ、内科や、腹腔鏡手術や内視鏡手術などの先端医療、皮膚科専門医の指導を受け皮膚科疾患診療にも従事。

〈資格〉日本泌尿器科学会 専門医・指導医/日本がん治療認定医/日本性感染症学会 認定医/日本医師会認定 産業医/泌尿器腹腔鏡技術認定医/難病指定医/緩和ケア研修終了/ 〈所属学会〉日本泌尿器科学会/日本内科学会/日本皮膚科学会/日本透析医学会/日本性感染症学会/日本泌尿器内視鏡学会/

http://bando-clinic.com/

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