ブライダルチェックとは?性病検査との違いや流れについて解説

ブライダルチェック 性病検査

結婚前にブライダルチェックを受ける人が多い中で、「そもそもブライダルチェックってなんだろう?」

このような疑問をお持ちの方、少なくないかと思います。結婚前に検査をするという点から、ブライダルチェックと性病検査が混同しやすいです。ただ、実際のところはブライダルチェックと性病検査は少々異なります。本記事ではブライダルチェックの内容や流れ、費用などについて性病検査との違いを踏まえがら解説していきます。

ぜひ最後までご覧ください。

1、ブライダルチェックとは?

まずはじめにブライダルチェックとはどのようなものか、詳細を見ていきましょう。

(1)ブライダルチェックとは

ブライダルチェックとは、結婚前に実施する健康診断のことです。

通常の健康診断とは異なり、主に出産に際する問題がないかをチェックする検診になります。体全体の健康チェックに加えて、妊娠しても問題がないか、生まれてくる胎児に影響が出ないか等も総合的に検査していきます。

ブライダルチェックを行うことで、結婚後に安心して妊活に入れるので、結婚前の節目にブライダルチェックを受ける人が増えてきています。

ブライダルチェックは、すべての病院・クリニックで行われている訳ではありません。基本的には産婦人科で行われるので、行く予定の病院・クリニックでブライダルチェックができるか事前に確認しておきましょう。

(2)カップルで受けるのがおすすめ

ブライダルチェックは女性一人で受けるのではなく、カップルで受けるのがおすすめです。女性側のみがブライダルチェックを受けたとしても、パートナーが性病などに感染していては元も子もありません。結婚後の性交渉で性病が感染してしまう可能性もあり、生まれてくる胎児に影響を与えてしまいます。

カップルでブライダルチェックを受ければ、お互いの健康状態について理解を深めるきっかけにもなります。結婚を本格的に考えている場合は、その旨をパートナーに伝えて、一緒にブライダルチェックを受けてもらいましょう。

2、男性もブライダルチェックをする理由

男性もブライダルチェックを受ける理由として、前述した性病感染のリスクを下げる点に加えて、男性の生殖機能の確認も挙げられます。近年、結婚した夫婦が不妊で悩むことが増えてきており、不妊治療に継続して取り組むケースも多くなってきています。不妊の原因は男性側に要因がある可能性も高く、もはや女性のみが悩む問題ではありません。

結婚前のブライダルチェックで生殖機能をチェックすれば、もし問題があったとしても早い段階で治療を開始することができ、結婚後の家族計画を円滑に進めらるでしょう。男性のみがブライダルチェックを受けるのには抵抗がある方が多いと思うので、パートナーと一緒にブライダルチェックを受けるのがおすすめです。

3、ブライダルチェックと性病検査の違い

ブライダルチェックと性病検査は、厳密に言うと少々違いがあります。

ブライダルチェックは性病検査を含めたトータルの健康診断であるのに対して、性病検査は文字通り性病の検査のみを行います。ブライダルチェックを受ければ、性病検査も受けられると認識して問題ありません。

ブライダルチェックの性病検査では、

  • クラミジア
  • 淋病
  • トリコモナス症
  • 梅毒
  • カンジダ
  • B型、C型肝炎
  • HIV

など、主な性病の検査をセットで行うことが多いです。

上記の性病検査について詳細を知りたい方は、「性病の種類と症状|種類ごとの症状や感染経路、放置するとどうなるのか」も合わせてご覧ください。

4、ブライダルチェックの内容

ブライダルチェックの内容について、女性・男性ごとに具体的な内容をまとめました。

(1)女性のブライダルチェックの内容

女性のブライダルチェックでは性病検査に加えて、

  • 血液検査
  • 子宮頸がん、乳がん検査
  • 超音波検査
  • 甲状腺機能検査
  • 膠原病検査
  • 風疹抗体価測定

などが行われます。

①血液検査

血液検査では、白血球・赤血球の数、ホルモン分泌の機能などを検査します。特にホルモン分泌機能は排卵や妊娠で重要な役割を果たしてきますので、ブライダルチェックで必ず検査されると言って良いでしょう。

②子宮頸がん、乳がん検査

子宮頸がん、乳がんは若い女性でも発症する可能性のあるがんです。がんは早期発見できるかで治療の難易度が変わってきます。ブライダルチェックの段階で発見することができれば、円滑に治療を始めることができますので、こちらも必ず検査してもらうようにしましょう。

③超音波検査

超音波検査では、子宮や卵巣の健康状態をチェックしていきます。超音波検査によって、子宮筋腫や子宮内膜症、卵巣の疾患を見つけることが可能。子宮頚がんと同様に、早期発見が完治までの期間を短くしてくれるので、超音波検査もブライダルチェックに含まれています。

④甲状腺機能検査

甲状腺機能の検査は一見すると妊娠・出産とは関係がないように見えますが、実は甲状腺に異常があると排卵や黄体に影響を与えることがあります。症状が重くなると不妊症の原因にもなりかねません。

⑤膠原病検査

膠原病は身体を構成する蛋白質のもとである「コラーゲン」に炎症・障害が生じる疾患になります。膠原病になると流産や胎児の発育遅延の原因になるので、ブライダルチェックで検査が行われます。

⑥風疹抗体価測定

妊娠初期に風疹に感染すると、胎児が先天性風疹症候群にかかって生まれる可能性があります。胎児が先天性風疹症候群に罹患すると、白内障や緑内障、難聴などが生じてきます。母体が風疹に対して十分な免疫を持っているか、あらかじめ確認しておかねばいけません。妊娠の段階でも風疹の抗体検査は行われますが、ブライダルチェックの段階で確認しておけば後々安心でしょう。

(2)男性のブライダルチェック

男性のブライダルチェックでは性病検査に加えて「精液検査」が実施されます。
精液検査によって精子の数をチェックしたり、精子の健康状態を確認していきます。精子の状態によっては、不妊症の原因になることもあるので、ブライダルチェックの段階で確認しておくことが大切でしょう。

5、ブライダルチェックの流れ

ブライダルチェックを受ける流れとして、まずは婦人科がある病院・クリニックを探します。ブライダルチェックは「妊娠に関する検査」という色が強いので、婦人科で実施されるのが一般的です。クリニックの場合は「レディースクリニック」という名称で婦人科が設けられていることもあります。

受診する病院・クリニックが見つかったら、ブライダルチェックを申し込みましょう。ブライダルチェックの大まかな流れは、

問診→内診→血液検査

となります。

(1)問診

多くのブライダルチェックはいきなり検査を行わずに「問診」から始まります。問診では主に

  • 月経のサイクル
  • 初潮が始まった時期
  • アレルギーの有無
  • 持病の有無
  • 病歴

などが確認されます。月経の周期はあらかじめ記録しておくと、問診のときに回答しやすいですね。持病の治療等で日常的に服用している薬がある場合も、問診時に申告するようにしましょう。

(2)内診

内診では、超音波、エコーなどを用いて子宮や膣、卵巣の状態をチェックします。超音波検査では腫瘍や子宮筋腫の有無、子宮内膜症などの症状がないか確認が行われます。実際に大音量の超音波が流れる訳ではないので安心してください。

エコー検査では、膣に「経膣エコー」と呼ばれる棒状の器具を入れて、子宮や卵巣の状態を見ていきます。エコーを入れても痛みなどは生じないので、こちらも安心して検査を受けれますよ。

(3)血液検査

血液検査では、各種性病の検査や風疹抗体検査、赤血球・白血球の数値検査などが実施されます。性器以外の部分の健康状態を血液検査で確認するといった形ですね。クリニックによっては糖尿病の検査が合わせて行われるところもあります。

6、ブライダルチェックの費用

(1)ブライダルチェックの費用

ブライダルチェックの費用相場は、15,000円~30,000円ほどです。ただ、病院やクリニックによってブライダルチェックの検査項目が異なってくるので、費用が安いからといってお得であるとは限りません。HIVや子宮頸がんの検査などをオプションで設けているケースもあるので注意しましょう。

一人でブライダルチェックを受けるよりも、カップルで一緒に受けることで検査費用が安くなる病院・クリニックもあります。また、平日料金を土日よりも安くしているところもあるので、是非活用してみてください。

(2)性病検査のみしたいという方であれば,,,

「ブライダルチェックというよりも、性病検査のみ受けたい」という場合は、泌尿器科や産婦人科などのクリニックでで性病検査を単体で受けた方が費用は安く済みます。
上述した通り、ブライダルチェックの場合だと安くても15,000円以上かかってきますが、性病検査単体であれば10,000円未満で収えられます。自宅で検査キットを利用すれば、更に検査費用を安くできます。性病検査のみを行いたい場合は、ブライダルチェックではなく、性病検査単体で受診しましょう。

まとめ

ブライダルチェックと性病検査は、厳密にいうと異なります。ブライダルチェックの中に性病検査も含まれているという形ですね。
妊娠・出産に際して健康上の問題がないかブライダルチェックで検査していきます。ブライダルチェックは女性のみならず、男性も一緒に受けることが大切です。女性側の健康状態が良くても、男性側に問題があると元も子ありません。

病院やクリニックによってはカップルで検査を受けると検査費用が安くなるところもあるので、利用してみてください。性病検査のみを受けたい場合は、ブライダルチェックよりも性病検査を単体で受けた方が費用を安く抑えられます。

記事監修

坂東 重浩ばんどうクリニック堀切菖蒲園駅前 院長
東京慈恵会医科大学での泌尿器科診療をはじめ、内科や、腹腔鏡手術や内視鏡手術などの先端医療、皮膚科専門医の指導を受け皮膚科疾患診療にも従事。

〈資格〉日本泌尿器科学会 専門医・指導医/日本がん治療認定医/日本性感染症学会 認定医/日本医師会認定 産業医/泌尿器腹腔鏡技術認定医/難病指定医/緩和ケア研修終了/ 〈所属学会〉日本泌尿器科学会/日本内科学会/日本皮膚科学会/日本透析医学会/日本性感染症学会/日本泌尿器内視鏡学会/

http://bando-clinic.com/

購入・お問い合わせ・相談窓口

バクテリアラボでは性病検査の専門員がしっかりとサポート。
初めて性病検査を受ける方のご不安や悩みに寄り添い、一緒に考え解決します。
検査サービスに関するご質問やご相談など、お気軽にお問い合わせください。