妊婦でもクラミジアに感染する?妊婦のクラミジア感染について詳細を解説!

妊婦の方にとって、性感染症は出産に大きな影響を与えるものです。特に、患者数が多い「クラミジア」に関しては、妊婦の方も細心の注意を払わないといけません。
妊婦の方や妊娠希望者の方であれば

  • 妊婦でも感染するのか
  • 妊婦がクラミジアに感染していることで起こる影響
  • 妊娠中にクラミジアが発覚したらすべきこと

など様々な疑問や不安があるでしょう。
本記事ではこれらの疑問を解決すべく、「ばんどうクリニック堀切菖蒲園駅前」院長であり泌尿器科専門医かつ性感染症認定医である坂東が、詳細を解説します。
ぜひ最後までご覧ください。

1、妊婦でも感染する?クラミジアについて

クラミジアは性病の中でも群を抜いて感染者数が多い性感染症です。クラミジアは性交渉によって感染しますが、通常の性交渉のみならず、オーラルセックスやアナルセックスでも感染します。また、クラミジアの菌が喉の粘膜にも感染するため、キスによって感染してしまうこともあります。

本章では、クラミジアの現状と妊婦でも感染するのかについて解説します。

(1)クラミジア感染の現状 

クラミジアの感染者数は、平成10年代をピークに徐々に減少してきましたが、令和に入って感染者数が再び増加傾向にあります。令和元年のクラミジア感染者数は、全体で約54万人です。男性と女性の感染者数の比率は、ほぼ五分五分です。年代別に見ると、20代の感染者が全体の約半数を占めます。

妊婦のクラミジア感染に関しては、厚生労働省から正式な統計が出ていないため感染者数の推移は把握できませんが、感染するリスクは十分高いと言えるでしょう。

(2)妊婦でもクラミジアに感染するのか

結論から述べると妊婦でもクラミジアに感染します。
クラミジアは性交渉、オーラルセックス、アナルセックス、キスなどで感染するため、妊婦であっても通常の女性と同様に感染するリスクがあります。
妊娠中の性交渉ではコンドームを利用しないという人もいるのですが、やはり感染リスクを高めてしまうためよくありません。また、通常の性交渉はしなくてもオーラルセックスなどでクラミジアに感染してしまうこともあるので頭に入れておきましょう。

クラミジアは自覚症状が出にくく、特に女性の場合は感染者の約8割が症状に気づかないとされています。そのため、クラミジアが現在のパートナーからうつったのか、それとも過去のパートナーや不特定の相手からうつったのか判別がつきにくいです。
詳しくは後述していますが、自身がクラミジアに感染しているとわかったら現在のパートナーにも検査を受けてもらうようにしましょう。

2、妊婦がクラミジアに感染していると起こる影響

妊婦がクラミジアに感染していることでどのような影響があるのでしょうか。主な影響として、

  • 胎児への感染
  • 早期出産

が挙げられます。それぞれ詳しく見ていきましょう。

(1)胎児への感染について

クラミジアは女性の性器の中で菌を増殖していきます。性器は出産時に「産道」となるため、適切な治療をせずに出産してしまうと、胎児はクラミジアに接触しながら生まれてくることになります。胎児の皮膚や粘膜はまだ未発達であるため、クラミジアが胎児の体へ直接触れてしまうと、出産後に重度の病気が発症するリスクが高まります。

胎児の時に感染し生まれてから影響がでてしまう病気として、

  • 新生児肺炎
  • 新生児結膜炎

の2つが挙げられます。

①新生児肺炎

クラミジアが胎児に感染することで、生まれてから肺炎を発症してしまうケースがあります。これらの原因を元に生後2~12週に発症する肺炎のことを「新生児肺炎」と呼びます。新生児肺炎に感染すると、呼吸が激しくなったり、「ゼイゼイ」といった呼吸音、痰を伴う咳の増加などの症状が出るのが特徴です。治療では抗菌薬の服用が2週間ほど行われます。

②新生児結膜炎

結膜炎に感染するケースもあります。こちらも同様に新生児が発症する結膜炎を「新生児結膜炎」と呼び、生後5日~2週間ほどで発症することが多いです。新生児結膜炎の症状として、膿が含まれた目やにの増加、まぶたの腫れ・炎症が見られます。まぶたの内側に白い膜が生じることもあります。
新生児結膜炎の治療では、抗菌薬が含まれた目薬を使用します。

(2)早期出産の原因に

妊婦がクラミジアに感染することで早期出産(早産)の原因となります。

①絨毛膜羊膜炎

なぜクラミジアが早産の原因になるかというと、その理由はクラミジアによって引き起こされる「絨毛膜羊膜炎(じゅうもうまくようまくえん)」と呼ばる病気にあります。
絨毛膜羊膜炎は、胎児を包んでいる「絨毛膜」と「羊膜」という層に炎症が起こる病気です。この2つの層に炎症が起きてしまうと、層が薄くなってしまい、破れやすくなってしまいます。

②プロスタグランジン

また、絨毛膜羊膜炎によって子宮の収縮を促進するホルモンである「プロスタグランジン」が通常よりも多く分泌されるようになります。これによって、子宮収縮の時期が早まってしまい、早産や早期の破水、流産の原因になってしまうのです。
早産では、体が十分ではない状態で生まれる可能性もあるでしょう。
体重が軽い状態で生まれることに加えて、脳性麻痺や視力障害など重度の障害をもって生まれるケースもあります。妊婦がクラミジアに感染することで、生まれてくる胎児に障害を負わせてしまうことがあるので、クラミジアに感染していたら必ず適切に治療していきましょう。

3、妊娠中にクラミジアが発覚したらすべきこと

妊娠中にクラミジア感染が発覚したら、最初は不安やパニックに陥ってしまうかもしれません。
ですが、冷静に対処すればクラミジアは完治できます。感染が分かったら、下記のことをすぐに実施するようにしましょう。

  • すぐに医療機関で治療を行う
  • パートナーには検査をしてもらう

(1)すぐに医療機関で治療を行う

クラミジア感染が発覚したらすぐに医療機関で治療を受けましょう。
まずは普段通院している産婦人科の先生に相談しましょう。
基本的に女性のクラミジアは、そのまま診断してもらった婦人科で処方をもらって治療をします。
もし別の病院でクラミジアを治療することになったら、どのような薬を服用しているのか、妊娠して何週目なのか等、具体的な情報を共有するようにします。

通っている産婦人科にクラミジア感染を伝えないのはNGです。産婦人科でも性病の検査は実施されますが、タイミングが丁度外れてしまう可能性もあります。クラミジア感染が発覚した場合は、必ずかかりつけの産婦人科に報告するようにしてください。

(2)パートナーには検査をしてもらう

クラミジア感染が発覚したら、パートナーにも検査を受けてもらいましょう。
クラミジアを含む性病では、基本的に自分が移した側なのか、移された側なのかは判断がつきません。
お互いがクラミジアに感染していた場合、自分がクラミジアを完治させても、パートナーがクラミジアに感染したままだと感染を繰り返してしまいます。
パートナーに感染の事実を伝えるのは少々気が引けるかもしれません。ただ、一番大切なのは互いの体を思いやって行動することです。

前述した通りクラミジアは自覚症状が出にくい分、過去に感染したままずっと放置していた可能性も十分あります。感染源を追求するようなことはせず、相手の体やこれからの夫婦生活を踏まえて、クラミジア感染の事実を隠さずに報告するようにしましょう。

4、妊娠はしていないが予定がある方は事前に検査を

妊娠 クラミジア

現在妊娠はしていない方でも、近い将来に予定がある場合は事前に検査することをおすすめします。早い段階でクラミジア感染を見つけることができれば、妊娠する前に完治させることができます。妊娠してからもクラミジアの治療はできますが、どうしても体への負担が重くなってしまうので、妊娠する前に治療した方が得策でしょう。

クラミジアの検査は、下記の2つの方法があります。

  • 病院で検査する
  • 自宅で検査キットを利用する

(1)病院で検査する

クラミジアなど性感染症の検査と聞くと、病院での検査をイメージする方が多いと思います。病院でのクラミジア検査では、簡易検査と精密検査の2つがあります。簡易検査の場合は、検査から15分ほで結果が分かります。ただし、検査精度が精密検査と比べて低いのと費用が比較的高額なことからあまり一般的ではありません。精密検査の場合は、検査から2日~7日ほどで結果が分かります。

(2)自宅で検査キットを利用する

クラミジアの検査は、自宅で検査キットを利用することでも行えます。
男性の場合は尿、女性の場合は膣分泌液を採取して検査機関へ郵送で送ります。採血を行う必要がないので、はじめて検査キットを利用する方でも無理なく利用できます。検査結果は郵送してから1週間ほどで分かります。ネット上で検査結果を確認することができますので、検査結果表が送られてくるのを待つ必要もありません。

病院で検査する場合だと、病院へ行ける時間が限られていたり、周りにクラミジアの検査がバレてしまうリスクも出てくるでしょう。自宅で検査キットを利用すれば、自分の好きなタイミングで検査を行うことができて、周りに検査をしたことがバレることもありません。

検査キットの費用は、3,000円~5,000円ほどになります。検査キットによっては、クラミジア以外の性感染症も同時に検査できるキットもあります。複数の性感染症を検査できるキットの場合だと、費用が5,000円以上になるものが多いですが、すべての検査を病院で1つずつ行うよりも費用は安く抑えられますね。

まとめ

妊婦の方でもクラミジアに感染する可能性はあります。クラミジアは自覚症状が出にくい分、妊娠前に感染してしまって、そのまま放置してしまっているケースも多いです。クラミジアは通常の性交渉以外にも、オーラルセックスで感染することもあるため油断してはいけません。特に、妊娠中の性交渉ではコンドームを利用しない方もいるので、注意しましょう。
さらに、クラミジアに感染した状態で出産してしまうと、胎児が肺炎や結膜炎といった病気に感染してしまうリスクもあります。
これから妊娠予定の方は、事前にクラミジアの検査を行うようにしま、出産中の方はパートナーにも検査をしてもらうことが大切です。
クラミジアを早期発見・早期治療して、万全の状態で出産に臨みましょう。

記事監修

坂東 重浩ばんどうクリニック堀切菖蒲園駅前 院長
東京慈恵会医科大学での泌尿器科診療をはじめ、内科や、腹腔鏡手術や内視鏡手術などの先端医療、皮膚科専門医の指導を受け皮膚科疾患診療にも従事。

〈資格〉日本泌尿器科学会 専門医・指導医/日本がん治療認定医/日本性感染症学会 認定医/日本医師会認定 産業医/泌尿器腹腔鏡技術認定医/難病指定医/緩和ケア研修終了/ 〈所属学会〉日本泌尿器科学会/日本内科学会/日本皮膚科学会/日本透析医学会/日本性感染症学会/日本泌尿器内視鏡学会/

http://bando-clinic.com/

購入・お問い合わせ・相談窓口

バクテリアラボでは性病検査の専門員がしっかりとサポート。
初めて性病検査を受ける方のご不安や悩みに寄り添い、一緒に考え解決します。
検査サービスに関するご質問やご相談など、お気軽にお問い合わせください。